「オール岩手で食形態標準化をすすめましょう!」 会長 澤口眞規子 

オール岩手で食形態標準化をすすめましょう!
                     公益社団法人岩手県栄養士会長 澤口 眞規子

 「すごーい。こんな勉強会。はじめて!」 「あれーっ? 病院で出しているのとはちょっと違うかも?」 「なるほど、そのように工夫するのかぁ?」 今般、開催した『岩手県食形態分類標準化推進研修会』に受講された方々の声です。
 地域包括ケアの推進には、要介護高齢者等が退院後も低栄養リスクを抱えることなく、安全で適切な栄養管理のもと、県内すべての関係施設において、均一で良質な食事を継続的に提供し、多職種協働によるマネジメントが求められています。
 その実現に向けて、まずは管理栄養士・栄養士に専門知識と実践力を身につけてもらおうと、岩手県食形態分類標準化推進委員会(令和元年11月14日結成、委員長には岩手県立中央病院長の宮田剛先生に就任いただいております)が主催し、下記の県内5会場で研修会を開催しております。
 第1回は、9月18日(金)、岩手医科大学附属 内丸メディカルセンター研修室を会場として、新型コロナ感染拡大対策に配慮し、80名限定でスタートしました。
 講演Ⅰとして、ないとうクリニック複合サービスセンター(仙台市太白区)の管理栄養士 伊藤清世先生に、「嚥下調整食の理解と運用 ~管理栄養士の栄養ケアマネジメントの具体~」をテーマにお話をいただきました。先生には施設給食管理、在宅医療栄養ケア等の豊富な活動経験の中から、摂食嚥下のメカニズムと身体機能に応じた段階的な調整食のすすめ方について、分かりやすくお話いただきました。
 というのも、この研修会は病院・施設の直属の管理栄養士と一緒に、給食委託事業所の栄養士の方々にも学んでいただく企画です。上記の委員会で昨年度に実施した『岩手県内医療と介護施設の食連携実施のための実態調査』(経営主体者調査/県内340施設対象/94.1%回答、給食業務受託事業所調査/県内24事業所対象/58.3%回答)では、県内の関係施設の62.8%が委託給食による運営であることから、“同じ学びと協働”は約束されたプログラムとなります。
 それだけに、受講者は講師の言葉を聴き逃すまいとメモを取り、お隣の栄養士とはアイコンタクトで意見交換。熱心な研修会となりました。

 2コマの試食体験では、「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」を基準に0j、1j、0t、肉ミンチ2-1、2-2、3、4、ほうれん草2-1、2-2、3、4と粥2種類を同時に13種類もの調整食を実食するのですから、学習パワーはトップギアです。
 栄養士会での試食準備は超大変でしたが、伊藤講師の説明に、「うんうん」とうなずき、冒頭の声(小声で)が飛び交い始めると、それまでの苦労が全て報われた気がしたのは私だけでしょうか。自施設の調整食を評価・見直ししてほしいと思いました。

 その後に、委員会から前述した調査結果報告とともに、『嚥下調整食マネジメント 岩手県ガイドライン』の活用について説明させていただきました。
 「嚥下調整食を知っている」と回答した関係施設は86%ありましたが、各施設での呼名や物性が同質とは限りません。スムーズな栄養ケア連携のためにはある程度の基準に合わせて各施設が物性を調整する必要があり、このガイドラインを作成しました。
 ①本県の高齢社会の現状 ②食事支援に必要な管理栄養士としての視点 ③嚥下調整食分類 ④嚥下調整食の選択方法⑤調整食の作り方とコツ ⑥摂食嚥下のメカニズムと食事支援ポイント ⑦他施設栄養士との連携のための栄養管理情報提供書の提示 ⑧他職種との連携等多様な内容を盛り込みました。
 他県栄養士会においても様々な嚥下調整食が提案されておりますが、当県は医師、高齢者施設長、看護や言語聴覚士職等、高齢者医療と介護のプロフェッショナルで委員会を構成し、他には類を見ない組織です。さらに、次年度は、現場の調理師や地域ケアマネージャーにも輪の中に入っていただき、地に足のついた活動を進めて参ります。

 今回の研修会は当初4回を予定していましたが、5回目を追加し、より大きな会場で、県内すべての関係施設、行政の方々に参加いただけるよう準備を進めております。
 このガイドラインを基軸として順次積み上げてまいりますので、受講逃しのないように、ご配意をよろしくお願いいたします。

『岩手県食形態分類標準化推進研修会』のご案内
№5全県会場は参加申し込み受付中

1  目的
 「岩手県内医療と介護施設の食連携実施のための実態調査」 結果を踏まえ、『嚥下調整マネジメント~岩手県ガイドライン~』の活用による食形態の知識向上と施設間の連携を図り、もって地域包括ケアシステムを推進する。

2  主催
 岩手県食形態分類標準化推進委員会  (事務局/公益社団法人岩手県栄養士会)
 公益財団法人いきいき岩手支援財団の助成により開催する

3  参加対象
 県内の病院、診療所、高齢者介護施設等、嚥下調整食を提供している施設の管理栄養士・栄養士、県及び市町村に所属する行政栄養士、在宅訪問等地域活動をすすめる管理栄養士等

4  日程及び会場

No. 対象地区 期日 会場 定員 備考
1 盛岡地域
(盛岡広域)
9月18日(金)
13:30~16:30
岩手医科大学附属
内丸メディカルセンター 8階研修室
80名 終了
2 県北地域
(久慈・二戸)
9月19日(土)
13:30~16:30
二戸地区合同庁舎
1階 大会議室
50名 終了
3 沿岸地域
(沿岸広域)
10月2日(金)
13:30~16:30
釜石地区合同庁舎
4階 大会議室
50名 終了
4 県南地域
(県南広域)
10月3日(土)
13:30~16:30
県立中部病院
2階 講堂
50名 終了
5 全県対象 10月30日(金)
13;30~16:30
いわて県民情報交流センター
アイーナ7階 小田島組☆ほ~る
200名 受付中

5  内容

次第 内容 講師
講義Ⅰ 講演「嚥下調整食の理解と運用」
~管理栄養士の栄養ケアマネジメントの具体~
講師/医療法人社団静実会
ないとうクリニック複合サービスセンター
管理栄養士 伊藤 清世 先生
体験Ⅰ 試食学習「機能に応じた摂食嚥下食の選択
~自施設の食事基準に合わせてみよう~」
伊藤 清世 先生
講義Ⅱ 『嚥下調整食マネジメント』岩手県ガイドラインの活用について
(県内食形態実態調査結果報告)
説明者/岩手県食形態分類標準化推進委員会

※ №5の講師については、標記委員会専門委員が対応します。

6 参加費
 学習テキスト、試食学習の教材費実費1,000円  当日の受付でお支払い願います。
 (所属先で支払う場合は、栄養士会に別途お知らせください。)

7 備考
・ 新型コロナウイルス感染予防に配慮した運営を行います。
・ 参加者は必ず①マスク着用、②補水持参、③自己の体調確認をお願いします。
・ 今年度は管理栄養士・栄養士のボトムアップを図り、一定レベルの知識を備えてもらいます。
・ 今年度後半から、調理師等を対象とした調理技術者研修会の企画を進め、来年度に具体的な調理に係る研修会を開催する予定です。

8 申込方法
 別添の参加申込書に必要事項を記入して、岩手県栄養士会事務局までフアックスか、メールをご提出ください。

参加申込書はこちらからダウンロードしてください。
参加申込書

★「岩手県食形態分類標準化推進委員会」について
岩手県食形態分類標準化推進委員会 会則
(名称)
第1 本組織は、岩手県食形態分類標準化推進委員会(以下「食形態委員会」という。)という。
(目的)
第2 食形態委員会は食生活及び栄養障害の改善、疾病の再発予防のため、岩手県内の医療、福祉及び保健に関係する施設及び従事者が食形態の共通認識をし、要介護高齢者の摂食嚥下機能に対応した栄養管理に取組むことを目的とする。
さらに、在宅介護を支援する食生活改善ボランティア等と一体となった県民参加型の地域包括ケアシステムの推進に資する。
(事業)
第3 食形態委員会は、第2の目的を達成するために次の事業を行う。
(1)  県内の医療機関及び福祉施設が提供する食事の形態、取組み状況の把握に関すること。
(2)  岩手県食形態分類標準パターン表の作成に関すること。
(3) 調理従事者等を対象とした嚥下調整食技術講習会の開催に関すること。
(4) 医療・福祉関係職員を対象とした食形態分類の普及拡大に関すること。
(5) 在宅介護食認定ボランティアを対象とした食形態分類の知識の普及と活動支援に関すること。
(6) その他 本会の目的遂行のために必要な事項。
(委員)
第4 食形態委員会は、第2の目的及び第3の活動に賛同する機関・団体等をもって構成する。
2 食形態委員会の構成団体等は、必要に応じて追加又は変更することができる。
3 食形態委員会の委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
(役員及び職務)
第5 食形態委員会に委員長1名を置く。
2 委員長は、委員の互選による。
3 委員長は、食形態委員会を代表し、会務を総理する。
4 委員長に事故あるときは、あらかじめその指名する者が、その職務を代理する。
(会議)
第6 食形態委員会の会議は、委員会及び専門部会とし、委員長が招集する。
2  委員会は委員長が必要に応じて招集し、食形態委員会が実施する活動について協議する。
3  委員会においては、委員長が議長となる。
4  委員長は、必要に応じて、構成員以外の者の出席を求めることができる。
5  専門部会は委員長が必要に応じて招集し、食形態委員会の運営に必要な事項等に関して検討を行う。
(事務局)
第7 食形態委員会の庶務は、公益社団法人岩手県栄養士会において処理する。
(その他)
第8 この会則に定めるもののほか、食形態委員会の運営等に関し必要な事項は、委員長が別に定める。

附 則
この会則は、令和元年11月14日から施行する。

岩手県食形態分類標準化推進委員会 委員名簿

委員氏名
(敬称略)
組織名称 所属及び職名 職種
委員長
宮田 剛
一般社団法人岩手県医師会 常任理事 岩手県立中央病院 病院長 医師
佐藤 光勇 岩手県保健福祉部長寿社会課 高齢福祉担当課長 事務官
小野 償子 岩手県保健福祉部健康国保課 主任主査 管理栄養士
佐藤 義朝 公益財団法人いわてリハビリテーションセンター 副センター長 医師
長澤 茂 岩手県介護老人保健施設協会 会長 医療法人三秋会 理事長
一関中央クリニック 名誉院長
医師・経営者
渡辺 均 岩手県高齢者福祉協議会 会長 社会福祉法人江刺寿生会 理事長
特別養護老人ホームさくらの郷 施設長
経営者
柿澤 良江 公益社団法人岩手県看護協会 岩手医科大学附属病院 看護師 摂食嚥下障害看護認定看護師
阿部 信之 岩手県言語聴覚士会 会長 いわてリハビリテーションセンター 言語聴覚療法科長 言語聴覚士
二本木 壽美子※ 岩手医科大学附属病院 栄養部栄養士長 管理栄養士
山崎 久美子※ 岩手県医療局 岩手県立中央病院 栄養管理科長 兼 医療局業務支援課 栄養指導監 管理栄養士
伊藤 美穂子※ 岩手県中部病院 栄養管理科長 管理栄養士
千葉 忍※ 釜石のぞみ病院 主任管理栄養士 管理栄養士
澤口 眞規子※ 公益社団法人岩手県栄養士会 会長 医療法人三秋会 管理栄養士長 管理栄養士
金谷 明美※ 公益社団法人岩手県栄養士会 副会長 岩手県二戸保健所 上席栄養士 管理栄養士
高橋 希美※ 公益社団法人岩手県栄養士会 副会長 川久保病院 栄養科長 管理栄養士

※は専門部会委員兼務          県職員の方は2020.4の異動により後任者を記しました。

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